色々と思い悩みました。体の不自由なお年寄りがお住まいの任意売却案件。ようやく見透しがつきました。

色々と思い悩ませる案件でした。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)様ご依頼の任意売却案件で、ちょっと、経験が無い、難しい条件が重なったものでしたが、支障の無い範囲でお話します。
成人のみの世帯で、世帯所得は年金のみ。
体が不自由で、介護の必要なお年寄りがお二人おられます。
したがって、ご返済が止まって、所有者ご本人の申し出により任意売却の手続きが開始されたものです。
ご依頼を受け、ご本人との面接と査定のための物件調査を兼ねて、お住まいに寄せていただきました。
そこで、ご事情を伺って、簡単に第三者の購入者に買っていただくのは、どうみても問題があり、そのように進めることが果たして良い事なのかと、非常に考えさせられました。
障害のある方の引越し先は行政の福祉にお願いすれば、何とかなるにしても、家族はばらばら。
健常者も勤め・所得が無いので賃貸住宅にも入れません。
転居というのは現実感がありません。
一般の体の丈夫な方の任意売却の手続きでは、査定を行い、媒介契約を交わし、その後、ご身内等が買い求めてくれるかどうかお願いするための期間として2週間程度をとります。
それが、うまくいかなかった場合は、お引越しを覚悟していただいて、一般の方へ情報をお伝えするようになります。
今回は、ご身内のご援助がいただけなかった場合は(ほぼ、可能性はないとのこと)、その先に進むのは私としては躊躇せざるを得ません。
転居先を見つけるように言い渡すことなど到底できません。

非常に思い悩んでいました。辞退することもできますが、それでは、即時、競売手続きに移ることになり、無責任のような気がして、できません。
ご本人達の危機感を煽っても、事態の好転は望めるような状況ではありません。
他に考えられる方策も無いので、一番付き合いの濃い、ご身内に事態を説明できる機会をいただき、競売になった場合の悲惨な状況や、査定価格の算定の考え方等を再三にわたりお話しました。
その甲斐あって、ご本人達との話し合いが持たれ、私にも何度か相談があり、ようやく、そのご身内が買い取るとという形で話がまとまりました。
支援機構側のタイムリミットぎりぎりでセーフ。
ご身内の方には大きな負担でしょうが、投げ出さなくて良かった。
肩の荷物がひとつ取れたような気分です。

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