企業は社会の公器

その会社の業績を評価するには、いろいろな視点があろうかと思います。
社会福祉の向上のために、どのような貢献をしたか。
エコ社会実現のために、どのような成果を挙げたか。
その業界の発展のために、どのような貢献をしたか。
従業員の仕事への意欲・達成感、生活水準、福利厚生の向上のために、どんな努力をし、どのような成果を挙げたか。
また、以上のような一般的な企業の使命を果たすために、事業が継続可能な、または、より発展するために必要な収益を安定的に生み出すことができたか。
計測数値化可能で、客観的に評価できるものは、最後に挙げた会計上の成績だけであって、その成果としての決算書が唯一社会で認められている成績表でしょう。
1年の締めくくりの12月。弊社の決算月です。
格好つけて言えば、一年を振り返り、来年の構想・戦略を考える時期といえましょう。
ちょっと時間が取れたので、ごく大雑把ですが11月までの試算表に12月に予定されている取引等の数値を加えて、20年度の総売上、本業の不動産売買・賃貸の累計取引件数をまとめてみました。
昨年後半、人員が大きく変動し、売上以外の項目の集計もままならい状態で一年が過ぎてしました。
常に気にかかっていました。
ようやく昨年分もまとめ、3年分を比較できるように会社概要に整理しました。
https://www.wako-re.info/company.html
いつも皆に言ってることですが、「社会経済環境が激変しているこのような時期は、昨年やっていてうまくいったから、今年も同じ手法でうまくいくなんて有り得ない。」
それが実感です。
経営の柱は、一本では危ない。
柱は三本か四本くらいがちょうどよい感じがします。
当社でいえば、
1.買取、リフォーム or 再構成、販売
2.自社賃貸物件の運用・管理
3.売買仲介(金融機関よりの任意売却媒介手続き依頼物件を含む。)
4.賃貸物件の仲介・管理
以上の大きく分けた四部門です。
一つの部門が不調でも、他の部門が補ってくれれば安定します。
この三年間を振り返ると、その激変した様子が良くわかりました。
売買仲介が激減し、それを補うように、買取・再生・販売、賃貸マンション運営・管理のウエイトが大幅に増えてきました。
一般的な売買仲介業務だけでは、安定的な経営の目途が立たない。
常に、そんな危機感、先行きの不透明感があり、一般の売買仲介部門が不振な時でも、逆に需要が増すような業務をこなせる能力を身につけられたらと思っていました。
その常にいだいていた危機感、問題意識が重要だったと感じます。
でも、手を出す方向が多すぎても力が分散して成果が上がらない。
畑違いに手を出すのは、もってのほか。
自分の位置する業界で生き抜くことに汲々としているような能力で、なんで不案内な異業種で成功するでしょうか。
幸いにして方向性を間違わず、そして、お取引先を含めた周りからの協力を得て、なんとか、ようやくこの場所にたどり着けたんだな。
そんな感慨です。
来年は、年初に冒頭に掲げた指標の実現のため、「うちの会社はこんな使命を果たす会社になりたいんだ!」というコンセプト・・・平たく言えば、皆で納得・共有できる「社是」をより明確に言葉にしたいと考えています。
会計上の利益の目標は、ゴーイングコンサーンを大前提とする企業には、確かに重要な必要条件です。
しかし、十分条件ではないことを現代社会は本当に強く求めています。
このことを十分、肝に銘じておかなければならいと思います。
企業は社会の公の器、公器とよく言われます。
その企業内のエゴを主張するだけでは、それは理念でも何でもなく、いづれ社会から見放されてしまうという事例を、昨今の報道から見てとることができます。
算数だけが5でも、体育や国語、理科、社会が1では健全な内容の通知表とは言えなのではないでしょうか。

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