マンションの売れ行き。

今年度の弊社は、新築マンションと中古マンションの販売が一つの柱になっています。
春先の3月に15戸の新築マンションを買取りしたのと同時に、同じマンションを購入された方より14戸の賃貸管理のご依頼をいただきました。
弊社の賃貸予定の6戸と併せ20戸の賃貸入居は9月で完了。
ほぼ3月、4月のふた月で9割の入居が決まっております。
分譲仕様の新築マンションの賃貸への供給は極く限られておりますから、適正な賃料設定を行えば十分な需要があることが良くわかります。
では、販売分はどうだったでしょうか。
この度、販売用の9戸中、7戸目の販売が決定いたしました。
残り2戸は角部屋仕様の比較的専有面積の大きな4LDKタイプのもので、価格が2,160万円と2,410万円の価格設定です。
概ね、販売価格の低い順から決まっていったような状況です。
面積あたりの価格はそう大きな格差を付けておりません。
販売元当初分譲価格のほぼ80%。
築5年~7年程度の中古マンションと同水準でしょうか。
5年先の価格を先取りして今現在、購入する。
お客様は、社会経済、不動産市場の先行きが不透明な現在の状況において、この辺の価格設定であればと購入の判断をなさっているのではないかと思います。
この水準を考慮した価格設定も適正だったと、評価をいただけようかと思います。
そうなると築後10年~15年程度の中古マンションはどうでしょうか。
面積あたりの単価でいくらとくくることはできません。
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そのマンションごとの環境・立地、建物全体の品格・維持管理・居住者の状態、そしてその住戸の維持管理・修繕の状態等で大きな差が出てきます。

築後15年、建物全体の維持管理がよく、落ち着いた雰囲気をもった風格のあるマンションとします。

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その住戸の内部の状態が一新され、水周りの設備更新もされ、新築と比べ大差がなかった場合、どのくらいの年数を経たマンションと同等の価値があると判断するでしょうか。

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その大幅リフォーム、若しくは、リノベーション(再生)の効果により、9年若返り、築後6年のマンションと同じ程度の水準までよみがえったとします。
そして左の減価率表を適用すれば、新築の79%の残存価値ということになります。
以上の判定の過程を、お客様がなさったとすると、最初の新築マンションの販売価格の設定水準とほば同じことになります。
何か腑に落ちないような、不思議な感じがしますがこれが非常によく現実に当てはまります。
これをそのまま適用し、リフォームの仕様により修正を行って価格設定を行っている中古マンションがあります。
そのマンションは、今年度で10戸販売が完了いたしました。
結果から判断して、価格設定に大きな間違いはなかったようです。
建物状況をもとに築後何年のマンションと同等かと判定したうえで、減価率表により価格設定を行う。
お客様の目を、数値化する有用な手段の一つと思われます。
今までに無い、先行き不透明なこの時期。
生活を防衛するため、住宅取得のための支出を極力抑えようという流れにあります。
新築と中古。
選択肢は多いほど、お客様の選択は広がります。
その中で、価格と仕様を含め、いかにこの時代にマッチした住宅を提供できるか。
中古マンション市場においても、入念な検討と果敢で素早い決断が必要とされています。
これが、私たちに求められる大きな課題であり、この業界で生き残るためにくぐり抜けなければならない狭き門です。
ちょっと時間があったので、長い文章になってしまいました。

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